医学生レポート

医学生レポート

実施概要・目的

【白衣授与式】(令和2年12月) 【白衣授与式】(令和2年12月)

毎年1月から附属病院で2年間の臨床実習をスタートする直前の医学科4年生に行います。「良医」を目指すことをより一層、意識させるためです。

大阪公立大学医学部では、1学年100名の医学生が、6学年かけて、世の中に貢献できる良医を目指して日々研鑽を重ねています。 特に、「医師に求められること」を学生時代から意識することは非常に重要なことです。 そこで今回、医学科3年生のカリキュラウムとして、みなさまからの「ご意見箱」を通読した上で、「将来医師としていかにふるまうべきか」をレポートさせました。 そのいくつかを指導医のコメントとともに提示いたします。 ご覧いただき、良医を目指す彼らの成長過程をみなさまに少しでも理解していただきたいです。
求められる良医の育成は、教育機関の力によるものだけではありません。 未来の良医は育むために、今後ともご理解・ご協力を何卒お願いいたします。
令和3年5月
大阪公立大学医学部附属病院

本学の使命

「智・仁・勇」の医学部基本理念のもとで、深く温かい心を持つ高度な医療を実践する医師・医学研究者を育成するとともに、最先端の創造的な医学研究を達成できる、世界的に活躍する研究指導者を育てることをめざしています。

代表的なレポート

患者さんのご意見を読み、将来医師としてどのようにふるまうべきか、考えたことを述べる。まずは、患者さんが不安な気持ちを抱えて来院していることを意識する必要がある。長く働いていると、その意識が薄れてしまうのかもしれない。安心してもらえるように優しく穏やかな声かけをしたり、わからないことがあった時には気負わずに聞けるような雰囲気を作ったり、そのような努力をすることが重要だと感じた。

【教員のコメント】
初心忘るべからず。とはよく言ったもので、長く医師をやっていくと患者さんの気持ちを考えることは薄れてきます。

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患者さんのご意見を読み、将来医師としてどのようにふるまうべきか、考えたことを述べる。まずは、患者さんが不安な気持ちを抱えて来院していることを意識する必要がある。長く働いていると、その意識が薄れてしまうのかもしれない。安心してもらえるように優しく穏やかな声かけをしたり、わからないことがあった時には気負わずに聞けるような雰囲気を作ったり、そのような努力をすることが重要だと感じた。
また、病院のことも体の状態もよく知らない患者さんに対して、丁寧でわかりやすい説明をすることを徹底したい。患者さんが自分のことを判断するために必要な情報を、正しく伝えなくてはならないと、強く意識することも必要だと思った。
そして、このコロナ禍という時代においては、以前にまして、医療従事者は模範となるべき行動をとらなければならないのだと思った。基本的な感染対策を怠らないことは最低限で、医学・医療のプロなのだという意識のもと気を引き締めて行動する必要があると思った。
以上のようなことを気を付けて、優しく、丁寧な説明をし、自分を律することのできる医師になりたいと私は思った。そしてこれも智仁勇の教えと繋がっている、と実感した。

【教員のコメント】
初心忘るべからず。とはよく言ったもので、長く医師をやっていくと患者さんの気持ちを考えることは薄れてきます。患者目線の良い医師であり続けるためには、患者さんや医療に対して謙虚であり続ける必要があると思います。初心を忘れず大阪公立大学出身の医師として、患者さん思いの素晴らしい医師になってください。期待しています!

私は、医師の重要な役割の一つとして、患者が主体的に治療に臨むためのサポートがあると思う。例えば、医師が病状や治療について詳しく説明するというのも、サポートの一つと言えるだろう。
では、そうしたサポートのために必要なことはなんだろうか。私は、患者との信頼関係を築くことだと考える。

【教員のコメント】
医師が患者と対峙する時の重要なポイントをおさえられています。

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私は、医師の重要な役割の一つとして、患者が主体的に治療に臨むためのサポートがあると思う。例えば、医師が病状や治療について詳しく説明するというのも、サポートの一つと言えるだろう。
では、そうしたサポートのために必要なことはなんだろうか。私は、患者との信頼関係を築くことだと考える。まず主体的な治療のためには、患者が自分の病状をしっかりと医師に伝えられることや、治療について意見を述べられることはとても重要である。そしてそのためには、信頼関係を築き、患者がリラックスして話せる環境をつくることが必要となる。また、患者のバックグラウンドを知っておくことも重要である。現在の生活状況や患者の社会状況、家族関係など、患者としっかりコミュニケーションを取り、患者自身の情報も聞き出す必要がある。
よって、医師は患者との信頼関係を築けるよう振る舞うべきであり、目線を合わせる、患者の話にしっかりと耳を傾ける、体の向きなど、患者への心遣いがいかにできるかが重要になるだろう。

【教員のコメント】
医師が患者と対峙する時の重要なポイントをおさえられています。
将来医師になった時に、今の気持ちを忘れずに患者に寄り添える診療をされることを楽しみにしています。

令和4年4月No.7のご意見に「診察を医師の傍で見学している学生の態度が悪く、患者さんにも医師にも失礼だった。」というものがあった。
私は現在3年生だが、5.6年生の病院実習は当たり前ではなく、学ばせていただいているという謙虚な姿勢で参加する必要があると感じた。患者さんは敏感で、表情や態度から相手の気持ちを察して、伝えたいことや疑問点を飲み込んでしまうかもしれない。

【教員のコメント】
患者さんは医師、看護師、事務に対する気持ちだけでなく、学生さんの状況も見ていることがよく分かるご意見だったようです。

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令和4年4月No.7のご意見に「診察を医師の傍で見学している学生の態度が悪く、患者さんにも医師にも失礼だった。」というものがあった。
私は現在3年生だが、5.6年生の病院実習は当たり前ではなく、学ばせていただいているという謙虚な姿勢で参加する必要があると感じた。患者さんは敏感で、表情や態度から相手の気持ちを察して、伝えたいことや疑問点を飲み込んでしまうかもしれない。日々の実習で疲れ、初心を忘れがちになるが、そのようなときにこそ謙虚な気持ちで周囲の環境に感謝し、実習に参加しなければならないと思った。また、医師になり、学生を受け入れる立場になったとき、態度があまり良くない学生にはきちんと伝え、指導するよう心がけたいと思う。
また、多くのご意見に、医師や看護師、受付の方などの説明不足によるトラブルがあった。
医療従事者からすると「当たり前」なことでも、多くの場合は患者さんにとっては知らないことや分からないことである。医師になったとき、これぐらい分かるだろう、と安易に考えず、しっかりと時間をかけて患者さんに説明し、伝えようと思った。また、患者さんだけでなく、周囲の医療スタッフに指示を出したり情報共有したりする際も、内容や手順を具体的に伝えようと思った。

【教員のコメント】
患者さんは医師、看護師、事務に対する気持ちだけでなく、学生さんの状況も見ていることがよく分かるご意見だったようです。自分自身含めていろいろな人から評価され、学ぶ機会を得ていることがよく分かる内容で、素晴らしいと思いました。お互いに人間なので、うまくコミュニケーションすることが大事だと思います。

大阪公立大学医学部附属病院のご意見箱を閲覧させていただいた。大きく4つの学びを得た。
まず、患者さんに寄り添う姿勢が重要であることを再認識した。そもそも何も不自由ない生活を遅れている方は病院には来られない。病院に来られる方というのは不自由やそれに伴う不安感を抱えながら生活されている。

【教員のコメント】
感想の最初に「大きく4つ」と記載しており、読み手側が非常に読みやすい工夫をされていることに大変関心しました。

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大阪公立大学医学部附属病院のご意見箱を閲覧させていただいた。大きく4つの学びを得た。
まず、患者さんに寄り添う姿勢が重要であることを再認識した。そもそも何も不自由ない生活を遅れている方は病院には来られない。病院に来られる方というのは不自由やそれに伴う不安感を抱えながら生活されている。特にそういった状況では、医療従事者の接し方が患者さんの心身に大きな影響を及ぼすため、寄り添う気持ちだけでなく、優しく穏やかに接することでその気持ちを行動として表現することが必要である。とりわけ大学病院などの大きな病院では、かかりつけ医では難しいケースでの来院も多く、患者さんはより大きな不安を抱えていると考えられるので、一層患者さんの不安感に寄り添うことが重要であると感じた。次に、医療従事者の言動は、患者さんに思わぬ影響を及ぼすことがあるということを知ることができた。私語が気になったというご意見が見られた。不安な状況にある患者さんは何気ない私語も耳に入ってしまい、それが不安感や医療従事者に対する不信感につながることもある。医師にとっての日常が、患者さんにとっての非日常であることを忘れず、一挙手一投足にも注意を払わなければならないと感じた。
智の重要性も再認識することができた。「(診断名)だと言って頂き(根拠のある説明)大変安心しました」というご意見があった。根拠のある説明が患者さんに安心してもらうためにも大きな役割を担っている。そのためには、忙しい生活の中でも患者さん御本人と向き合い大切に想う気持ちに加え、正しい知識やそれをわかりやすく伝える技術も重要であると感じた。
最後に、マクロな視点でも考えなければならないということも学んだ。全体的に待ち時間が長いという意見が多く見られた。前述の通り、患者さんひとりひとりに寄り添い、丁寧な対応をすることが非常に重要である。しかし、それだけでは不十分で、医療従事者としては患者さん全員が効率的に医療を受けられるような仕組みづくりにも日々目を向けなければならないと感じた。今回は以上のことを学ぶことができたが、こういった機会を大切にし、よく考え、得たものを実践できるようにならなければ意味がない。ご意見を書くのにも、レポートとして確認するのにも時間や手間がかかる。なので、今回このような機会を頂いたことに感謝し、ご意見箱から学び、そしてその学びを実践していくことで、私達が受け取ったものを少しでも還元していくことが何より大事だと考える。

【教員のコメント】
感想の最初に「大きく4つ」と記載しており、読み手側が非常に読みやすい工夫をされていることに大変関心しました。また内容も素晴らしく、しっかりと自分の信念を持っていることが伝わり、将来が非常に楽しみです。ご自身が思う「良い医師」を目指して頑張ってください。応援しています。

患者さんのご意見箱を見てまず感じたことは、治療や診察に関する意見よりも治療以外の場面における意見や要望が多いということだ。例えば、治療のために更衣室で衣服を脱ぐ際、足置き用カーペットのようなズボンや下着を履き替えれるスペースがほしいといった意見や、化学療法をする際、お手洗いの水が冷たいと手が痺れてつらいといった意見があり、これは患者さんの声や意見を聞いて初めて医療従事者は気づくことができることだと感じた。

【教員のコメント】
各分野で診療ガイドラインが多く作られている今日、治療内容は標準化されてきているので、意見・要望の多くがそれ以外のことで多くなっているという気づきは妥当だと思います。

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患者さんのご意見箱を見てまず感じたことは、治療や診察に関する意見よりも治療以外の場面における意見や要望が多いということだ。例えば、治療のために更衣室で衣服を脱ぐ際、足置き用カーペットのようなズボンや下着を履き替えれるスペースがほしいといった意見や、化学療法をする際、お手洗いの水が冷たいと手が痺れてつらいといった意見があり、これは患者さんの声や意見を聞いて初めて医療従事者は気づくことができることだと感じた。医学生である今、どうしても医学に関する知識をいかに入れ、そして手技をいかに上手くこなすかということにしか目がいきがちであるが、医師としてはたらくにあたって、実際は医学的内容以外の部分でも気配りや配慮が必要な場面がたくさんあるのだなと感じた。こういったことはもちろん医師しか気づけないことではなく看護師や検査技師、薬剤師など他の医療従事者でも気づけることであるが、そうだからこそなにか患者さんにとって不便なことがあれば「医師」という立場関係なしに積極的にひとつずつ提案・改善する必要があると思った。もちろん、「患者に対する態度がよくない」といった医師に対する意見もあった。患者さんに丁寧に向き合い診察・治療をすることは医師として基本中の基本のことであるので、常にその姿勢は忘れないようにしたいと思う。患者さんと向き合う難しさなど、医師としてはたらいて初めて見えてくることもたくさんあると思うが、患者さん自身やその家族、病気や日々の生活のことなど、さまざまなことに目を向けれる医師になりたいと思う。

【教員のコメント】
各分野で診療ガイドラインが多く作られている今日、治療内容は標準化されてきているので、意見・要望の多くがそれ以外のことで多くなっているという気づきは妥当だと思います。水が冷たいとつらいという事例は、知識として化学療法による末梢神経障害を学んでいても、実際の施設で患者がどのような不利益を被るのかを知ることが出来た良い例だったと思います。記述にある通り、職種に関係なく、気づきは共有して改善に努めることで、より良い医療施設を構築できると思います。医師はリーダーシップを求められる場面も多いので、是非、この気づきや気持ちを忘れずに医師となり、ご活躍して頂きたいと思います。

腎臓内科の先生についての、意見を読みました。先生は優しく穏やかで患者さんはそれに安心できたと書いていました。患者さんが腎臓が悪くなっていく不安に苛まれている中で、医師のこのような態度はとても良いものだと感じました。

【教員のコメント】
今後のどのような点に留意していきたいか具体的に目標を記載されていて、良く書けていました。

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腎臓内科の先生についての、意見を読みました。先生は優しく穏やかで患者さんはそれに安心できたと書いていました。患者さんが腎臓が悪くなっていく不安に苛まれている中で、医師のこのような態度はとても良いものだと感じました。看護師さんの優しい態度にも感激しました。医師はやはり、患者さんを安心させるような存在であるべきだと思います。そのために、医師は優しく親切で、さらに自信を持つべきだと思います。優しく親切に接するためには、まずゆっくり話すというのを心がけるべきだと思います。説明を早口で行うと、聞き取りずらいこともあるし、なにより威圧感を患者さんに与えてしまうと思います。患者さんは病気で不安になっているのに、さらにマイナスの影響を与えるようなことは絶対にしてはいけないと思います。自信を持つべきだというのは、曖昧なことは言うべきではないと思います。はっきりとした態度でないと、それが患者さんの不安につながると思います。このように、単純にその病気のケアをすること以外にも、患者さんの心のケアもできる医師になるべきだと私は思います。

【教員のコメント】
今後のどのような点に留意していきたいか具体的に目標を記載されていて、良く書けていました。是非今回感じたことを今後も忘れず活かしてください。

私は将来、様々な立場に立って物事を見ることができる医師になりたい。
現在大阪公立大学医学部附属病院に寄せられている患者さんからのご意見の中には、医師や看護師の言動によって傷ついたり苦しい思いをしたりした、というものがある。感じ方は人それぞれなので、患者さんを思ってやったことが裏目に出てしまうこともあるかもしれないが、基本的には「患者さんが見たらどう思うか。」「自分が患者だったらこれを聞いてどう思うか。」ということをベースに考えるべきだと思う。

【教員のコメント】
患者やその関係者に寄り添うことは医療者として非常に重要である。ただ、忙しい業務と仕事に対するストレスが強い環境で自分にゆとりがもてない状態では常に患者に寄り添うというのは難しいのかもしれない。

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私は将来、様々な立場に立って物事を見ることができる医師になりたい。
現在大阪公立大学医学部附属病院に寄せられている患者さんからのご意見の中には、医師や看護師の言動によって傷ついたり苦しい思いをしたりした、というものがある。感じ方は人それぞれなので、患者さんを思ってやったことが裏目に出てしまうこともあるかもしれないが、基本的には「患者さんが見たらどう思うか。」「自分が患者だったらこれを聞いてどう思うか。」ということをベースに考えるべきだと思う。さらに、患者さんだけでなく患者さんのご家族、看護師やその他スタッフなど、色々な立場の人のそれぞれの気持ちに思いを巡らすことが、円滑な業務、特に多職種連携に効果的であると考える。
しかし、これには問題もある。一つは、相手の立場に立って考えるには、自身に余裕が必要なことである。自分の仕事に精一杯で周りが見えなくなるようでは、他人に気配りができなくて当然である。物理的にも精神的にも常に視野を広く保ち、心に余裕をもつことが大切である。もう一つは、相手の立場に立ってもその人の気持ちを100%理解することはできないことである。私は、相手の人が置かれている状況やその人のボディーランゲージから「今こういう心境に違いない」と決めつけてしまう癖がある。しかし、実際話してみたり後から聞いてみたりすると、全く違う気持ちであることもしばしばある。相手の立場に立つにあたって心境をただ推測するのではなく、対話や時間を重ねることも忘れずにいたい。
今はまだ学生であるが、先生、先輩、後輩などの立場から物事を捉えるだけでなく、学校外の一般の人からは大阪公立大学の医学生として見られていることを自覚して、これからも勉学に励んでいきたい。

【教員のコメント】
患者やその関係者に寄り添うことは医療者として非常に重要である。ただ、忙しい業務と仕事に対するストレスが強い環境で自分にゆとりがもてない状態では常に患者に寄り添うというのは難しいのかもしれない。
今回の意見では患者に寄り添うことの重要性だけでなく、他の医療者の立場に立って考えることで、業務の円滑化やストレス低減にもつなげる重要性についても述べられていました。そのことが業務や連携の円滑化につながり、自分自身だけでなく、他の医療者も含めて病院としてよりよい患者対応につなげられることができるのではないかと思いました。
自分の性格を客観的に認識し、よい医師となるたために常に自分が周りからみられていることを意識して自己研鑽していくことの重要性を認識した意見だと思いました。

ご意見箱を拝見させていただき、そこには直接的に病気や治療に関する意見がほぼ見られず、ほとんどが、医師やスタッフのふるまいに関する意見であることが分かりました。体調に異変を感じていたり、不安を関している患者さんにとって、病院に求めているものは治療ばかりではなく、安心できる場所なのではないかなと感じました。

【教員のコメント】
冒頭の“直接的に病気や治療に関する意見がほぼ見られず、ほとんどが、医師やスタッフのふるまいに関する意見であることが分かった”については、日頃から私自身が感じていることであり、常に発展途上の医療においては、患者様に”心”身ともに元気となって頂くことは、まさに医療の本質だと思います。

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ご意見箱を拝見させていただき、そこには直接的に病気や治療に関する意見がほぼ見られず、ほとんどが、医師やスタッフのふるまいに関する意見であることが分かりました。体調に異変を感じていたり、不安を関している患者さんにとって、病院に求めているものは治療ばかりではなく、安心できる場所なのではないかなと感じました。そのため、診察中だけでなく、待ち時間など様々な場面で少しでも不安に感じることがなく安心して過ごしていただけるように、医師としてふるまうことが大切であるなと感じました。
また、ご意見は医師のみにだけだなく、看護師さんや栄養部さんなど様々なポジションの人に対してお答えいただいておりました。病院で行う医療は医師だけが行っているのではなく、各ポジション同士で連携をして行っているため、患者さんへの対応もチームで連携して行っていくことが大切であるなと感じました。そのためにスタッフとのコミュニケーションはとても大切だなと思います。
患者さんに心身ともに少しでも元気になって帰っていただけるように、各スタッフが連携して治療以外の場面でも患者さんを労わること、それも含めて医療なのではないかなと考えました。

【教員のコメント】
冒頭の“直接的に病気や治療に関する意見がほぼ見られず、ほとんどが、医師やスタッフのふるまいに関する意見であることが分かった”については、日頃から私自身が感じていることであり、常に発展途上の医療においては、患者様に“心”身ともに元気となって頂くことは、まさに医療の本質だと思います。このレポートではそこへの気付きが書かれており、医療人として若い段階でそのことを感じとる機会が得られたことは、非常に意義のある経験であったと思います。また、同職種・他職種とのコミュニケーション・関係性は、演技では築けない人間力の結果であることは間違いありませんので、このレポートを介して、改めて自分を見つめ直す機会にもなりました。これからも、この気持ちを無意識に忘れずに、医療人生を歩んでいって欲しいです。

私は、医師として働くということは、患者さんの話を聞いたり、適切な検査や処置・手術をしたりすることだと思っていました。しかし、ご意見箱を読んでいて、それだけではなく、患者さんと直接関わっていない時の病院内での言動も医師としての行動として見られていると気がつきました。

【教員のコメント】
患者さんの満足度を上げるための行動の見直しは、ひいては我々医療スタッフの働きやすさの改善にも繋がるという視点は素晴らしいと思いました。

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私は、医師として働くということは、患者さんの話を聞いたり、適切な検査や処置・手術をしたりすることだと思っていました。しかし、ご意見箱を読んでいて、それだけではなく、患者さんと直接関わっていない時の病院内での言動も医師としての行動として見られていると気がつきました。
そのため、患者さんの満足度は医療行為だけでなく、自分の一つ一つの言動にも関わっています。さらには、共に働く医療スタッフの行動も見られています。この意識を持って、周りのスタッフと認識共有したり、自分こそ人としての行動を正し、医療スタッフの見本となるようにしたいと思いました。具体的には、待ち時間の改善のために出来ることを考えたり、エレベーターや病院内での患者さんとあった時に率先して挨拶をしたり通路の邪魔をしないように譲り合いの精神をもったりすることです。
また、医師として働くと忙しい日々を過ごすことになるかもしれないが、毎月ご意見箱に目を通すべきたと考えました。なぜなら、それを読むことは患者さんの考えていることやそれに対してのスタッフの返答を知る貴重なツールであるからです。これは、自分の行動を見直し続けることに繋がります。病院内で働く一人一人が定期的に自身の行動を見直し続けることで、患者さんがより気持ちよく過ごせる環境がうまれていくように思います。患者さんは、より病院を信頼して、気軽に来院し詳しく心身の相談もしてくれるでしょう。また、働く医療スタッフも気持ちよく働けるでしょう。
患者さんも医療スタッフも気持ちよく過ごせることで、みんなのQOLが向上することを願います。

【教員のコメント】
患者さんの満足度を上げるための行動の見直しは、ひいては我々医療スタッフの働きやすさの改善にも繋がるという視点は素晴らしいと思いました。

私が拝見したご意見箱は、妊娠中に赤ちゃんが亡くなってしまい、手術のための検診で来院された患者のものです。医師が名乗りもしない上、タメ口で気遣う様子もなく赤ちゃんが亡くなっていることを告げられたことに関して書かれていました。

【教員のコメント】
具体的な意見を抽出し、レポートとしてまとめてくれました。医師にとっては日常診療の一場面であっても患者にとっては、特別な場面であることを忘れてはいけないですね。

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私が拝見したご意見箱は、妊娠中に赤ちゃんが亡くなってしまい、手術のための検診で来院された患者のものです。医師が名乗りもしない上、タメ口で気遣う様子もなく赤ちゃんが亡くなっていることを告げられたことに関して書かれていました。一方、昨年流産で来院した際の担当医は「初めてお会いするのにこんな事を申し上げるのは大変つらく、申し訳なく思うのですが…お腹の中で赤ちゃんは亡くなっていると考えます。残念ですが…。来週もう一度診させてもらって確認させてもらいたい。それで手術の予約を」と言ったのにと書かれていました。推測でしかありませんが、おそらくこの医師は診察の結果赤ちゃんが亡くなっていることは間違いないと考えたが、患者が心の準備をする時間を設けるためにこのような言い方をしたのではないかと思います。患者が過去に流産を経験されていることはカルテにも記載があるはずで、待望の赤ちゃんを亡くされた患者の深い悲しみは、現場に立つ医師でなくとも容易に想像できます。また、産婦人科は命が生まれる場所である一方、大変残念ながら命を失う方もいる場所です。そのような患者に対してはいつも以上に寄り添った対応が求められると思います。医学部生として、人として、配慮が必要な場面で敏感に相手の気持ちを察して、思慮深い行動を心がけていこうと思います。

【教員のコメント】
具体的な意見を抽出し、レポートとしてまとめてくれました。医師にとっては日常診療の一場面であっても患者にとっては、特別な場面であることを忘れてはいけないですね。医師であると同時に人として患者に寄り添っていきたいですね。

将来医師として、医療知識が豊富であったり手術の技術が優れているのはもちろんのこと、医療的な内容以外の点にも気づいたり、患者さんや他の医療スタッフに対しても丁寧にそして優しく心遣いができるような医師になりたい。患者さんだけでなく患者さんの家族のことや、患者さんの病院での生活のことなど、患者さんが医師によって医療行為を受けている時間以外のことを考えられるように将来医師としてふるまっていきたい。

【教員のコメント】
市大のアドミッションポリシーの意味を多角的に理解したことを高く評価

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 将来医師としていかにふるまうべきかというテーマであるが、実際に大阪市立大学医学部附属病院のホームページのご意見箱を見てみると、手術や医療者が行う医療的な内容についてというよりも、どちらかというと施設のことや他の患者さんの態度や医療者の人としての態度についての意見が多いことに気がついた。例えば、施設内の照明が暗かったり、このようなコロナ禍で患者さん同士話す時間が決められているのにも関わらず会話ができる時間以上に話していたり、予約していた時間に医師が来なかったり、とのことであった。患者さんの立場から見ると、医療者が患者さんの病気を治してあげることは当たり前であると思っているのかもしれない。もちろん医師の仕事は、患者さんの病気を治し救うことである。だからこそ患者さんは、技術や医療的な内容以外の、至っていない所に敏感に気がついてしまうのかもしれない。今現在三回生の私はまだまだ医療知識が不十分であるため、将来の職業の医師の立場というよりも患者さんからの立場の方が考えやすい。この患者さんの立場からでしか見えない、医師になってからでは味わえない今しか感じ取れない事を将来医師になった時に覚えておけるようにしたい。そして将来医師として、医療知識が豊富であったり手術の技術が優れているのはもちろんのこと、医療的な内容以外の点にも気づいたり、患者さんや他の医療スタッフに対しても丁寧にそして優しく心遣いができるような医師になりたい。具体的に述べると、患者さんの目を見てうなずきながら笑顔で話したり、施設内の設備について患者さんの立場に立ってより良い改善点を考えてみたり、患者さん同士の交友関係についても気にかけてみたり、患者さんの家族をその患者さんと同じぐらい大切に扱ったり、などである。このようなことは大阪市立大学医学部のアドミッションポリシーである「智、仁、勇」にもあらわされていると思う。いつも大学の授業で教えて頂いていることであるが、仁が欠けている医師が多いと言われている。智と勇だけが優れている医師ではなく、基本的なことであるが、患者さんの気持ちを第一に考え、患者さんだけでなく患者さんの家族のことや、患者さんの病院での生活のことなど、患者さんが医師によって医療行為を受けている時間以外のことを考えられるように将来医師としてふるまっていきたい。

【教員のコメント】
将来医師としていかにふるまうべきかというテーマに対し、患者様からの生の声を真摯に受け止め、市大のアドミッションポリシーの意味を多角的に理解したことを高く評価しました。

 診察中だけでなく、それ以外の時間でも医師は常に患者さんに見られているので常に医師としての自覚を持って仕事に真摯に向き合うことの大切さを学んだ。小さな気遣いが、患者さんにはとても印象的な出来事になるので、医師は技術はもちろんそれ以外にいかに患者さんを気遣えるかが重要であることを学んだ。将来は技術を確立した上で、そういう気遣いも出来る医師になりたいと思った。

【教員のコメント】
シチュエーションをイメージしたうえで、具体的な行動目標を示している

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 今回大阪市立大学医学部附属病院のご意見箱を読み、様々な患者さんの声を目の当たりにした。快く感じたことに関する意見よりも、不快に感じたことに関する意見の方が多く見受けられた。その内容は、他の患者さんや、設備、規則に関することもあれば、ナースや医師の態度や行動に関することもあった。特に医師に関しては技術面に関する意見はあまり見られず、態度や仕事に対する姿勢に関することが多かったと感じた。具体的には、診察時間の開始時刻の遅れや、待ち時間、採血の際の細かい気遣いなどである。診察開始時間の遅れには様々な理由があると思うが、数分であってもその遅れは患者さんの不満につながる。さらには時間に忠実な医師がいることまで記載されていた。診察中だけでなく、それ以外の時間でも医師は常に患者さんに見られているので常に医師としての自覚を持って仕事に真摯に向き合うことの大切さを学んだ。逆に良い意見としては、採血の際、血管が浮き出にくく困っている患者さんに対してスムーズに温かいタオルを渡したことが記載されており、そういう一見小さな気遣いが、患者さんにはとても印象的な出来事になるので、医師は技術はもちろんそれ以外にいかに患者さんを気遣えるかが重要であることを学んだ。将来は技術を確立した上で、そういう気遣いも出来る医師になりたいと思った。

【教員のコメント】
シチュエーションをイメージしたうえで、具体的な行動目標を示している点が、他の感想に比べてよかった。

 医師は患者さんの病気を治すことが仕事であると考えていますが、「人」を相手にする仕事であるので、信頼関係を構築する必要があると思います。患者さんの気持ちをしっかり把握し、この先生なら安心してお願いできると患者さんに思ってもらえるような医師になりたいと思いました。患者さんは、診察の面より、「心」の面に不満が多いということが分かり、今回ご意見箱を見ることができて良かったです。

【教員のコメント】
医療は技術だけじゃ駄目なんだということに気づきを得られた

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ご意見箱を読んで感じたことは、患者さんは、医師が想像している以上に、医師のことを見ているということです。
仕事中の言葉使いや態度のみならず、食べているものや、私語まで指摘されていることにはとても驚きました。病院にいる間は、常に見られているということを意識しながら、働かないといけないなと思いました。医師は患者さんの病気を治すことが仕事であると考えていますが、「人」を相手にする仕事であるので、信頼関係を構築する必要があると思います。バックグラウンドに気を配りながら、分かりやすく説明することも仕事だと思いました。僕は、将来外科の道に進みたいと現状考えておりますが、手術の腕だけ磨いとけばいいということじゃないということが、身に染みました。体にメスを入れられる患者さんの気持ちをしっかり把握し、この先生なら安心してお願いできると患者さんに思ってもらえるような医師になりたいと思いました。患者さんは、診察の面より、「心」の面に不満が多いということが分かり、今回ご意見箱を見ることができて良かったです。

【教員のコメント】
医療は技術だけじゃ駄目なんだということに気づきを得られたことは素晴らしいと思います。

 これまでコミュニケーションの授業において良き医師としての振る舞いというものを習ってきましたが、実際にそれらを行うことで患者さんに良い印象を与えることができるのだとわかりました。将来はこれらの習ったことを活かして患者さんに不快感を与えない振る舞いをしようと思いました。将来医師として、患者さんとコミュニケーションをしっかり取り、患者さんが話しにくいことを気軽に相談してもらえるよう気持ちに寄り添った振る舞いをするべきであると考えるようになりました。

【教員のコメント】
患者さんとのコミュニケーションの大切さを再認識しました。

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  令和2年4月分から令和2年9月分までのご意見箱を見たところ、医師に関することが書かれたものは少ないように感じました。しかし、数少ないそれらのご意見では、患者さん目線で見たときに、どのような医師の対応がよいのか、悪いのかということがはっきり書かれていました。これまでコミュニケーションの授業において良き医師としての振る舞いというものを習ってきましたが、実際にそれらを行うことで患者さんに良い印象を与えることができるのだとわかりました。将来はこれらの習ったことを活かして患者さんに不快感を与えない振る舞いをしようと思いました。
また、ご意見箱に投函されたものは、施設や設備への不満、看護師や清掃員など医師以外のスタッフの態度への指摘が大多数を占めているように見受けられました。このようにご意見箱に気付いたことを意見として提出してくださる患者さんがいる一方で、不満があってもご意見箱に出せない患者さんもいるのではないかと思います。そのような患者さんが不満を抱えたまま治療を進めていくことがないよう、診察時やお話しする時間があるときに悩みや不満はないか医師から患者さんに話してもらう機会を設けるべきではないかと考えさせられました。今回ご意見箱とその回答を見たことで、将来医師として、患者さんとコミュニケーションをしっかり取り、患者さんが話しにくいことを気軽に相談してもらえるよう気持ちに寄り添った振る舞いをするべきであると考えるようになりました。

【教員のコメント】
すごく有意義な振替実習で、次年度以降ルーチン化しても良いくらいの実習ではないかと思いました。
患者さんとのコミュニケーションの大切さを再認識しました。

 将来医師として、患者さんの立場で物事を見る必要があると思った。病院の職員や看護師としっかりと連携して、患者さんが快適に過ごせるように心がけなければならないと思った。病院ではたくさんの職種の人が働いていて、完璧に連携をとるのは難しいかもしれないが、病院の隅々まで気を配る必要があると思った。

【教員のコメント】
医師は病院職員や看護師と連携するべきという多職種連携の必要について学べた

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  患者さんならではの視点での意見が多いように感じた。私が想像していた以上に細かい部分まで見ているんだなと思った。病気で苦しんでいる、体が不自由だからこそ気づけることも多いと思った。健康な人からするとなんともない小さな段差も、点滴を持ったひとや車椅子のひとからすると大変だと感じた。病院のスタッフや看護師、医師の対応についての意見もたくさんあった。感謝の言葉もある一方で、厳しい意見も見受けられた。何でもかんでも対応できるわけではないから、対応できない時にはその旨をしっかり説明する必要があると感じた。患者さんは不安を抱えて病院に来ているのだから、しっかりと患者さんの立場に立って考える必要があると思う。忙しいからというのは言い訳にならない。出来る範囲で丁寧に対応する必要があると思う。病院はあくまでも公共の場なので、しっかりと相手のことを思いやって、全員が快適に過ごせるように心がけなければいけない。診察の待ち時間が長いことや、会計に時間がかかってしまうのは仕方の無いことだが、こういう理由で時間がかかっています等説明するだけでも印象が変わるのではないかと思った。将来医師として、患者さんの立場で物事を見る必要があると思った。病院の職員や看護師としっかりと連携して、患者さんが快適に過ごせるように心がけなければならないと思った。病院ではたくさんの職種の人が働いていて、完璧に連携をとるのは難しいかもしれないが、病院の隅々まで気を配る必要があると思った。

【教員のコメント】
今回ご意見箱を閲覧する実習を通して、医師患者関係を大切にし患者に寄り添う姿勢を学ぶだけでなく、医師は病院職員や看護師と連携するべきという多職種連携の必要について学べたことが評価される。

 患者さんがこうしてほしいと思うことがあっても勤める側からすると難しいことが多くあり、その矛盾をひとつずつ解決していくことが不可欠なのだと思いました。患者さんはすぐに気がつくということを胸に留めておきたいです。そのようにして患者さん一人一人の意見に向き合い、一人でも多くの患者さんが余計な心配なく、快適に治療を受けられる環境を作れるよう精進したいです。

【教員のコメント】
医療従事者・患者間の意識にギャップがあり、ひとつずつ着実に解決していくことの大切なことに気づいたことが良い

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  ご意見箱を読んでまず最初に感じたのは、私たち医療従事者側と患者さん側では当たり前と思っている内容が全く違うことが多くあるということです。例えば、トイレの前に人目避けのためのカーテンを設置して欲しいというご意見がありましたが、事故防止という観点から見るとそれは難しいことです。そのように患者さんがこうしてほしいと思うことがあっても勤める側からすると難しいことが多くあり、その矛盾をひとつずつ解決していくことが不可欠なのだと思いました。そしてそういったご意見に対する回答はこういう理由で厳しいのだという説明をきちんとしなくてはならないと感じます。それはこういったご意見箱に対する回答だけでなく、普段の診療で患者さんから投げかけられる疑問等に対しても同じように真摯に答えなければならないのだと思いました。そしてそれがもし投げやりで適当な回答であれは、患者さんはすぐに気がつくということを胸に留めておきたいです。そのようにして患者さん一人一人の意見に向き合い、一人でも多くの患者さんが余計な心配なく、快適に治療を受けられる環境を作れるよう精進したいです。

【教員のコメント】
医療従事者・患者間の意識にギャップがあり、ひとつずつ着実に解決していくことの大切なことに気づいたことが良いと思います。また、諦めずにより良い環境を作ることを目標に以ていることは、リーダーとして素晴らしいと感じました。