耳鼻いんこう科
基本情報
診療科の特色
主な対象疾患としては、頭頸部腫瘍(悪性・良性)、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、中耳炎、めまい、難聴・耳鳴、音声機能障害、嚥下障害、睡眠時呼吸障害、嗅覚障害、味覚障害、顔面神経麻痺などがあげられます。当科では、専門外来として、腫瘍外来、めまい外来、慢性中耳炎外来、難聴・耳鳴外来、遺伝性難聴外来、アレルギー外来、補聴器外来、睡眠時無呼吸外来、音声言語外来を開設しています。大阪公立大学医学部附属病院は地域がん診療連携拠点病院であることから、頭頸部癌の診療に力を注いでおります。複数の診療科(腫瘍外科、形成外科、脳外科、消化器内科、放射線治療科)と共同で根治性の高い、かつできるだけ侵襲の少ない治療を心掛けて実践しています。もう1つの重点項目として、神経耳科(めまい、難聴)に力を入れています。高齢化に伴いめまい、難聴の症例が増加しつつあります。難聴は認知症の危険因子であることが報告されており、難聴への対応は認知症予防として重要とされています。めまいは生活の質の低下のみならず転倒リスクにも関わるためその治療・予防は重要なことと考えております。
社会的ニーズ
耳鼻咽喉科の守備範囲は非常に広く、感覚器および自己表現機能に関する器官、生命に直結する器官を対象とし、その障害は直接人間らしい生活の質の低下につながるという重要な部位を担当しています。機能の改善・温存を目指した治療を行なっています。
今後の展望
低侵襲な手術による治療(内視鏡下耳手術、内視鏡下鼻副鼻腔・頭蓋底手術、鏡視下咽頭手術など)を取り入れております。
外来受付時間
受付場所 | 耳鼻いんこう科(2階) |
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診察受付 | 9:00~10:30 |
診療時間 | 9:00~16:45 |
※初診のときは、外来診察担当表をご確認ください。
医局のホームページ
医学研究科 耳鼻咽喉病態学・頭頸部外科学:https://www.omu.ac.jp/med/research/departments/otolaryngology-head-and-neck-surgery/
認定施設
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医研修施設
- 日本耳科学会耳科手術認可研修施設
- 日本耳科学会耳管ピン手術登録施設
- 日本気管食道科学会気管食道科専門医研修施設
- 日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医制度指定研修施設
- 日本頭頸部外科学会耳鼻咽喉科頭頸部外科におけるロボット支援手術実施施設
- 日本鼻科学会鼻科手術認可研修施設
疾患・治療実績
当科の得意分野
めまい疾患に対しては特殊内耳外来にてメニエール病、良性発作性頭位眩暈症を中心に各種めまい疾患に対し精査加療を行っています。良性発作性頭位めまいに対する浮遊耳石置換法や、メニエール病に対する中耳加圧療法、ゲンタマイシン鼓室内注入法、内リンパ嚢開放術を行っています。
慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎やそれに伴う難聴・耳漏に対し、鼓室形成術を行ています。症例により内視鏡下に手術を行うことにより低浸襲な治療法を目指しています。また、高度難聴や補聴器で十分な効果が得られない方には、人工内耳や植え込み型骨伝導補聴器の適応を検討します。高度から重度の難聴の方には人工内耳の適応を検討し、手術を行っております。
当科では、術前の適応評価から手術、術後のリハビリテーションまで包括的な治療を行っております。
頭頸部がんの手術治療に際しては摘出部の欠損が起こることが多く、再建手術を形成外科や外科と連携して行っています。顕微鏡下に血管縫合し再建しており大変良い効果が得られております。しかし、頭頸部がんの治療後には、さまざまな機能障害が起こり生活の質が低下します。当科では低侵襲な経口内視鏡下手術を積極的に行っています。放射線治療においてもIMRTという周囲の組織に対する副作用を減らす照射方法を行っております。根治手術の適応であっても機能温存の希望がある場合は、導入化学療法を先に行うことで手術を回避することも可能なことがあります。がんが再発・転移した患者さんに対しても、化学療法(抗がん剤)を行い、がん免疫療法も積極的に導入しております。
アレルギー性鼻炎に対しては、積極的に舌下免疫療法をおこなっています。重症の方に対しては、鼻中隔矯正術や下鼻甲介手術といった鼻閉改善手術や、後鼻神経切断術という鼻汁・くしゃみ症状の改善手術も行っています。
副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻内副鼻腔手術は一般的に行われておりますが、鼻腔や副鼻腔にできる腫瘍(良性・悪性)もあり、当科ではこれらに対しても低侵襲な経鼻内視鏡手術を積極的に行っています。また、脳と接している部分の病変に対する頭蓋底外科手術を脳神経外科と連携して行っております。
対象疾患
眼球、脳以外の頭頸部領域の疾患を対象としています。一般的な口腔咽頭疾患や鼻副鼻腔疾患に加え、頭頸部腫瘍に対しては外科的治療、化学療法、放射線療法を集学的に行っています。耳疾患では慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対する手術を行っています。
主な対象疾患
- 喉頭腫瘍
- 真珠腫性中耳炎
- 先天性難聴
- 咽頭腫瘍
- 滲出性中耳炎
- 耳鳴症
- 口腔腫瘍(舌腫瘍含む)
- 耳小骨奇形
- 顔面神経麻痺
- 唾液腺腫瘍
- 慢性化膿性中耳炎
- アレルギー性鼻炎
- 鼻・副鼻腔腫瘍
- 好酸球性中耳炎
- 睡眠時無呼吸症候群
- メニエール病
- 耳硬化症
- 急性・慢性副鼻腔炎
- 良性発作性頭位めまい
- 突発性難聴
- 言語発達遅滞
- 前庭神経炎
- 低音障害型感音難聴
- 構音障害
治療方法
- 頭頸部癌に対する放射線療法
- 内リンパ嚢開放術
- 内視鏡下鼻内手術
- 頭頸部癌に対する化学療法
- 鼓室形成術
- 内視鏡下頭蓋底手術
- 頭頸部癌に対する免疫療法
- 鼓膜形成術
- アレルギー性鼻炎に対するレーザー手術
- 喉頭全摘出術
- 鼓膜チューブ留置術
- 唾液腺腫瘍摘出術
- 舌切除術
- 顔面神経減荷術
- 声帯ポリープ切除術
- 上顎全摘出術
- 内視鏡下耳科手術
- 下鼻甲介切除術
- 頭頸部再建手術
- 口蓋扁桃摘出術
- 浮遊耳石置換法
- 人工内耳埋込術
- 音声言語療法
- ゲンタマイシン鼓室内注入法
- 急性感音難聴に対するステロイド療法
検査・診断方法
- 電子内視鏡検査
- 耳小骨筋反射検査
- 味覚検査
- 頸部超音波検査
- 語音聴力検査
- アレルギー検査
- PET検査
- グリセロールテスト
- アプノモニター
- MRI検査
- 内耳機能検査
- 穿刺吸引細胞診検査
- 高分解能CT検査
- 耳鳴検査
- 耳管機能検査
- 核医学検査
- 耳音響放射検査
- 言語発達検査
- 平衡機能検査
- 聴性脳幹反応検査
- 細菌培養同定・薬剤感受性検査
- 純音聴力検査
- 聴性定常反応検査ASSR
- 補聴器適合検査
- ティンパノメトリー
- 嗅覚検査
主な手術や処置の件数 2024年1月~2024年12月
手術・処置・症例等の名称 | 件数 |
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耳科手術 | 177 |
鼻科手術 | 242 |
口腔咽喉頭手術 | 186 |
頭頸部手術 | 174 |
主な耳科手術
鼓室形成術 | 53 |
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人工内耳手術 | 16 |
アブミ骨手術 | 6 |
顔面神経減荷術 | 6 |
鼓膜形成術 | 8 |
乳突削開術 | 26 |
試験的鼓室開放術 | 1 |
外側側頭骨切除術 | 1 |
主な鼻科手術
内視鏡下鼻・副鼻腔手術 | 266 |
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視神経管開放術 | 1 |
涙嚢・鼻涙管手術 | 1 |
主な口腔咽喉頭手術
舌、口腔、咽頭腫瘍摘出術 | 50 |
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主な頭頸部手術
頸部郭清術 | 80 |
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頭頸部腫瘍摘出術 | 131 |
甲状腺良性腫瘍摘出術 | 27 |
バセドウ病手術 | 5 |
甲状腺悪性腫瘍摘出術 | 23 |
気管切開術 | 70 |
スタッフ紹介
教職員氏名 | 役職 | 指導医・認定医資格 | 専門分野・担当 |
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角南 貴司子 | 部長 |
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大石 賢弥 | 副部長・医局長 |
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寺西 裕一 |
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神田 裕樹 | 外来主任 |
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梶本 康幸 |
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横田 知衣子 | 病棟主任 |
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山本 祐輝 |
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中濵 千晶 |
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竹宮 由美 |
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亀井 優嘉里 |
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雨皿 和輝 |
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上村 健太 |
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甲賀 鉄平 |
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橋本 孝佑 |
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阪本 浩一 |
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