褥瘡委員会
本院では「院内褥瘡発生ゼロ・褥瘡の治癒率向上」を目指し、取り組んでいます。
委員長ご挨拶
褥瘡対策、予防のためには、科学的根拠に基づいた褥瘡管理を行い、医療者が協働して予防環境整備、褥瘡治癒のための積極的な方策を立てていく必要があります。そのため、本院では、2002年8月に多職種から成るメンバーによる褥瘡対策チームを設置しました。
2003年4月には正式に褥瘡対策委員会(2006年6月に褥瘡委員会へ名称変更)として再組織化し、2006年4月には創傷・オストミー・失禁(WOC)看護認定看護師1名を専従の褥瘡管理者として配置し、病院全体での褥瘡対策活動を推進しています。
委員会では、各委員が褥瘡予防・褥瘡対策の共通認識を持ち、それぞれの専門性を十分に発揮し、「院内褥瘡発生ゼロ・褥瘡の治癒率向上」を目指し、取り組んでいます。
委員長 寺井 秀富 (整形外科/診療科部長)
褥瘡管理者ご挨拶
令和4年4月より、褥瘡管理者として、院内の褥瘡予防及び褥瘡対策に従事しています。
当院は、重症の患者様が多く入院されているため、褥瘡が発生しやすい状況にあり、褥瘡予防・褥瘡の早期治癒を目指し活動しています。
活動内容として、褥瘡委員会で医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床工学技士、臨床検査技師、事務職員の多職種で協働し、患者様のQOLの向上を目指して取り組んでいます。褥瘡回診では多職種で病棟ラウンドをし、褥瘡予防に必要なケアや栄養管理、有効な除圧方法、ポジショニング、体圧分散寝具の選択などをカンファレンスし、提案をしています。万が一褥瘡が発生した場合には、治癒促進のための処置を行うとともに、発生した要因の検討や今後の対策について各部署の褥瘡専任看護師とともに話し合い、助言・指導を行っています。また、マニュアルの作成や、研修、体圧分散寝具などを含めた褥瘡ケア物品の整備などを行っています。
チームで連携を図りながら、より良い入院環境を提供できるように努めています。
専従褥瘡管理者 林 純代
褥瘡対策の組織
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褥瘡(じょくそう)とは...
持続的な圧迫によって発生する皮膚及び皮下組織の損傷すべて
~米国褥瘡諮問委員会の定義より
褥瘡委員会の活動
褥瘡回診
褥瘡専任医師、褥瘡管理者、皮膚・排泄ケア認定看護師、褥瘡専任看護師、栄養士、薬剤師、 理学療法士の多職種で、週に1回回診をしています。回診時に、病棟のスタッフと共に要因や対策について検討しています。
褥瘡委員会研修
各部署の病院職員へ向けて、講義や実技研修を年に数回実施しています。日々の褥瘡ケアに活かせるよう、褥瘡に対する知識・技術の向上を図っています。
各種データ
体圧分散寝具等整備状況一覧
令和5年4月現在
上敷きマットレス | ||||
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静止型 | 一体成形 | ウレタンフォーム | 厚さ12cm | 全病棟 |
交換マットレス | ||||
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圧切替型 | セル式 | エアマット | 厚さ13cm | 174台 |
車イス用クッション | ||
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ウレタン | 厚さ5cm | 59台 |
エアー | 厚さ10cm | 8台 |
褥瘡対策に係る施設基準
本院では、褥瘡に関して、以下の施設基準の届出を行っています。
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入院基本料
褥瘡対策の実施が入院基本料の算定要件です。
《届出要件》- 褥瘡対策につき十分な体制が整備され、褥瘡対策が行われている。
- 褥瘡対策に係る専任の医師及び褥瘡看護に関して臨床経験を有する専任の看護職員から構成される褥瘡対策チームが設置されていること。
- 日常生活の自立度が低い入院患者さまにつき、褥瘡に関する危険因子の評価を行い、褥瘡に関する危険因子のある患者さま及び既に褥瘡を有する患者さまにつき、適切な褥瘡対策の診療計画の作成、実施及び評価を行うこと。
- 患者さまの状態に応じて、褥瘡対策に必要な体圧分散式マットレス等を適切に選択し使用する体制が整えられていること。
- 褥瘡対策の診療計画における薬学的管理に関する事項及び栄養管理に関する事項については、必要に応じて薬剤師又は管理栄養士と連携して、当該事項を記載する。
- 栄養管理計画書において、体重減少、浮腫の有無等褥瘡対策に必要な事項を記載していることで栄養管理に関する事項の省略ができる。
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褥瘡ハイリスク患者ケア加算
入院中1回500点 1点10円
入院患者さまにとって、より安全で効果的な入院医療の提供を一層促進するため、急性期医療の高度化・複雑化に対応できるより重点的な褥瘡管理対策の実施を評価したものです。
《届出要件》- 褥瘡ハイリスク患者のケアに従事した経験を5年以上有する看護師等であって、褥瘡等の創傷ケアに係る適切な研修を修了した者を褥瘡管理者として専従で配置していること。
- 褥瘡リスクアセスメント票・褥瘡予防治療計画書を作成し、それに基づく重点的な褥瘡ケアの実施状況及び評価結果を記録していること。
- 褥瘡対策チームとの連携状況、院内研修の実績、褥瘡リスクアセスメント実施件数、褥瘡ハイリスク患者特定数、褥瘡予防治療計画件数及び褥瘡ハイリスク患者ケア実施件数を記録していること。
- 褥瘡対策に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、褥瘡対策チームの構成員及び必要に応じて主治医、看護師等が参加していること。
- 総合的な褥瘡管理対策に係る体制確保のための職員研修を計画的に実施していること。
- 重点的な褥瘡ケアが必要な入院患者さまに対して適切な褥瘡発生予防・治療のための予防治療計画の作成、継続的な褥瘡ケアの実施及び評価、褥瘡等の早期発見及び重症化防止のための総合的な褥瘡管理対策を行うにふさわしい体制が整備されていること。